無料メルマガ【成功起業考察】 2010年6月10日配信

本文タイトル:取締役の義務と責任について。その2

前回のメルマガで、取締役には「善管注意義務」というものがあり、その内容について述べさせていただきました。

実は、「善管注意義務」とよく似た内容の言葉で、取締役が負うべき義務として「忠実義務」というものがあります。

Wikipedia(ウィキペディア)を見てみると、この2つの言葉の関係について次のように述べられています。

『忠実義務と善管注意義務の関係については、言い換えただけと考える同質説と、取締役に課せられた独立の義務と考える異質説がある。
異質説に立つ場合、利益相反取引の禁止、競業避止義務、報告義務、お手盛り禁止などは、忠実義務の具体化である。
従来は同質説が通説的であったが、現在は異質説が有力化している。』

つまり、「善管注意義務」というのは、『会社に対して、取締役としての一定の注意を払う義務』なのに対して、
「忠実義務」というのは、『会社の利益を犠牲にして自己の利益を図ってはならない義務』という異質の義務であるという説が有力である、

ということだと思います。

これに対して、同質説というのは、会社法第三百三十条の『株式会社と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う(これが、「善管注意義務」の根拠法)』という委任関係であるというこの規定を受けて、

会社法第三百五十五条で、『取締役は、法令及び定款並びに株主総会の決議を遵守し、株式会社のため忠実にその職務を行わなければならない』という「忠実義務」の根拠となる規定が、受任者の「善管注意義務」の会社法的表現として捉えられている、ということになるのだと思います。

なんか、少しむずかしい話になってきましたね。

まっ、この二つの義務の異質説・同質説の話は、経営者自身の知識としてはあまり重要ではないことなので、この辺で説明をやめておきましょう。

興味のある方は、学説や判例などがいろいろと出ているようなので、その辺を探してみて下さい!

とにかく、「忠実義務」をもう少し分かりやすく言うと、

『会社の利益や成長発展を優先させて行動しなければならない』

ということになるのでしょう。

どちらにしても、「善管注意義務」も「忠実義務」という言葉も、取締役の基本的な義務をあらわした表現であり、観念的な言葉であることには違いはありません。

ですので、次回からはもう少し具体的に、かつ、実践的に、取締役の義務と責任について説明していくことにいたしましょう!
次回は、「取締役の義務と責任について。その3」という記事をお送りします。

★無料メルマガ【起業書士の成功起業考察】投稿記事一覧に戻る⇒

このページのトップへ