無料メルマガ【成功起業考察】 2011年3月4日配信

本文タイトル:現物出資についてのきわどい質問≪前回の続き≫

前回のメルマガで、

『【現物出資】の金額が500万円を超えない場合は検査役の調査が必要なくなり、出資者自らがその現物出資の評価額を評価をし、その評価が妥当であるのかどうかを設立時取締役が調査し、証明することになる。そして、現物出資の妥当な評価とは、その物の時価である。』

というようなことを書かせていただきました。

そして、この500万円を超えない現物出資の評価について、お客様がきわどい質問をしてくることがあるということも書きました。

では、その「きわどい質問」とはどのような質問なのでしょうか?

この質問の内容に触れる前に、少し前置きがあります。

新会社法が施行されてから、取締役が1名以上いれば、株式会社が設立出来るようになりました。

だから、株主兼取締役1名という株式会社も存在するわけです。

ここで、一番最初に書いている文を思い出して下さい。

『500万円以下の現物出資の評価は出資者(株主)自らが行い、その評価が妥当であるのかを設立時取締役が調査し、証明する』

ということを・・・

つまり、株主兼取締役1名という株式会社においては、その現物出資の評価も、その評価が妥当であるかの調査も、同一人物がやるということになるわけです。

ということは、好き勝手な評価が出来てしまうことになるわけです。

ここできわどい質問の内容に戻りますが、このことを知ったお客様が「現物出資の評価を時価より高い評価にしても問題ないのか?」という質問をされてくるのです。

なぜきわどい質問かというと、現物出資を時価より高く評価するのは会社に損害を与える行為なので禁止されているにも関わらず、他者によるチェック機能が働かないので、その不当な評価もまかり通ってしまう可能性があるからなのです。

しかし、ここで考えなければならないのが、「何のために、時価より高い評価をする必要があるのか?」ということです。

それは、多分、資本金を大きくしたいというのが理由のはずです。

そこで、もっとよく考えなければならないのが、「何のために、資本金を大きくする必要があるのか?」ということです。

通常、資本金を大きくするということは、以下のような効果があります。

 1 事業の運転資金を多くしたい。

 2 資本金(自己資金)が多いと融資が受け易く、又は、融資額が増える。

 3 許認可の財産的要件をクリアー出来る。
※新設会社の場合、資本金を財産的要件にしている場合が多い。

 4 会社としての信用度が増し、取引や顧客誘導がし易くなる。

ただ、上記のような観点から資本金を大きくしたいのであれば、「現物出資を時価より高く評価する」という行為は何の意味もありません!

まず、1については、現物出資は運転資金には成り得ないので問題外。

2と3についても問題外で、融資機関や許認可庁は、資本金の現物出資の部分を自己資金として評価してくれません。

だから、現物出資を高く評価することによって、融資が受け易くなることも、又は、融資額が増えることもありません。

もちろん、許認可の財産的要件をクリアーすることも出来ません。

それどころか、不当な評価をしていることが分かることになるので、逆に融資機関や許認可庁に悪い印象を与えることになります。

それでは、4の場合はどうでしょうか?

確かに、資本金が大きければ第三者に対する信用度は増し、取引や顧客誘導がスムーズにいくことが考えられるかもしれません。

でも、考えてもみて下さい。

時価が200万円の現物出資を倍の400万円で評価し、それで、資本金が200万円ぐらい増えたからといって、信用度を増すことができる資本金の額といえるでしょうか?

これが、例えば「本来500万円であった会社の資本金が1億円にもなった」というレベルなら話は分かりますが、資本金500万円の会社の資本金が700万円になったからといって、その会社の信用度が増すものでしょうか?

私には決してそうは思えないですし、皆さんも多分同じだと思います。

だから、『現物出資の評価を時価より高く評価する』ことは、はっきり言って、意味の無い行為だと私は思います。

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