無料メルマガ【成功起業考察】 2012年4月19日配信

本文タイトル:決算公告はしなければならないか?

【2012年4月19日配信】

以前、クライアントさんからこんな質問がされました。
「株式会社は毎年決算公告をしなければいけないの?」 という質問です。

このような質問をされたのは、 インターネットで下のような記事を見られたからです。

『株式会社の毎年の決算公告は法律で定められていて、 違反すると100万円以下の過料という罰則規定がある。』

クライアントさんは、 「100万円以下の過料」という部分にびっくりして 質問をしてこられたのでしょう。

でもこの質問、法律家に尋ねられると正直つらいです。

なぜ、つらいかと言うと、 クライアントさんが見た記事の内容は正しくって、 だから、法律家としては「決算公告はしてください。」と 言わなければならないのですが、 現実とはかなりギャップがあるからです。

実際、毎年の決算公告は、 大手企業ならやっているところが多いでしょうが、 中小企業の決算公告の実施率は数パーセントと聞いたことがあります。

2004年には、あの西武グループのプリンスホテルが、 創業以来30年以上も決算公告をしてなかったことが話題になりましたが、 あのような超有名な企業でさえも、 決算公告を30年以上もせずに放置していた、という現実があります。

さらに、決算公告をしなかったために、 100万円以下の過料という罰則を受けた企業は、 私の知る限りでは今までに存在しません。

だから、今のところ、 決算公告をするかしないかは、 その会社のコンプライアンスへの意識次第、 としか言えないわけです。

ただ、世の中の コンプライアンスへの意識の高まりや情報開示の流れを考えると、 いつどうなるかは分かりませんので、 気に掛けておいて損はないと思います。

それに、これからの時代、企業のコンプライアンスが、 企業イメージに大きく影響を及ぼすことも否定できないでしょう。

決算公告をすることで企業のイメージがアップするということも、 決算公告をする企業が少ない今だからこそ有効なのかもしれません。

ちなみに、会社法施行以前の有限会社であって、 株式会社への移行を実施していない特例有限会社には、 毎年の決算公告の義務はありませんよ。

■ここからは、株式会社の公告制度について説明します。

「公告」の意味をウィキペディアで調べると 「政府・公共団体が、ある事項を広く一般に知らせること、または、 公人・私人が法令上の義務により特定の事項を広く一般に知らせること」 と記載されております。

これを株式会社の公告制度の目的に置き換えると、 「株主や債権者等利害関係人に一定の重要事項を周知させること」 ということになります。

"一定の重要事項"というのは、 会社法と会社法以外で定められたものがありますが、 会社法で定められているものには以下のものがあります。

1.合併に関する公告
2.会社分割に関する公告
3.組織変更に関する公告
4.資本金及び準備金の減少に関する公告
5.解散公告
6.基準日に関する公告
7.定款変更等通知公告
8.組織再編等通知公告
9.株券等提出公告
10.計算書類の公告

この中で、一番頻繁に使う公告が10の計算書類の公告、 つまり、決算公告というわけです。

そして、これらを公告する方法としては、以下の3つがあります。

1.官報
2.日刊新聞紙
3.電子公告(ネット上の公開)

掛かる費用としては、
日刊新聞紙>電子公告>官報、という感じです。

電子公告の費用が掛かるのは、 調査機関の調査料が必要になるからです。

しかし、決算公告のみを電子公告で行う方法も選択でき、 この場合は電子公告にも関わらず、
調査機関の調査を必要としません。

だから、掛かる費用の方も
日刊新聞紙>電子公告>官報>決算電子公告、 ということになります。

官報でも決算公告なら6万円ぐらい掛かりますが、 自社のホームページがあるなら、決算電子公告に掛かる費用は0円です。

しかし、この決算電子公告もいいことばかりではありません。

官報では決算の要旨のみ掲載すればよいことなっていますが、 決算電子公告では全文を掲載しなければなりません。
※中小企業の場合は貸借対照表のみになります。

つまり、会社の台所事情がまる分かりになるということです。 それも5年間継続して掲載しなければなりません。

それに官報と違って、 ネットに掲載されていれば断然に見られ易いです。

良い財務内容なら問題はないのでしょうが、 悪い財務内容なら、イメージダウンは免れません。

単に費用が安くなるという理由だけで選択するのではなく、 自社のイメージに有利に働くかどうかも 考えなくてはならないでしょう。

★無料メルマガ【起業書士の成功起業考察】投稿記事一覧に戻る⇒

このページのトップへ