役員の任期とは?

取締役や監査役などの役員は、その会社の株主から経営を委任されている役員です。役員には任期があり、取締役は2年・監査役は4年と旧商法では定められていました。

しかしながら、会社法では、非公開会社(株式譲渡制限会社)は役員の任期を10年まで伸長することが出来るようになったのです。

取締役の任期の決め方

取締役の任期を決めるポイントとして、私なりに以下のご提案をさせていただきます。

@ 発起人が1名であって、その発起人が取締役になる場合
取締役任期:10年
A 複数の取締役であって、その取締役同士が家族関係などである場合
取締役任期:5年〜10年
B 複数の取締役であって、取締役同士が知人・友人などである場合
取締役任期:2年〜4年
C 発起人となる人と、取締役となる人が違う場合
取締役任期:2年

これを見ていただいてお分かりいただけると思うのですが、取締役同士(または、株主と取締役)の関係性が深いほど、その任期は長く設定しています。

なぜ、取締役同士の関係の違いによって任期を変えた方がいいのか、という根拠を説明させていただきます。

意外とあるケースなのですが、取締役を解任したい場合に、その任期が問題になってくる場合があります。

最初は同じ志でやっていても、年数が経過すると経営方針の違いが生じてくるというのは、本当によくある話です。

その場合、株主総会の決議で、意にそぐわない取締役を解任することもできます。

しかし、ここからが問題で、解任できるにしても、その解任した取締役が「自分は取締役の責務をきちんと果たしている。解任によって生じた損害賠償を請求する。」といったような主張をすることがあり得るわけです(もちろん、背任行為があったなど、解任するのに正当な理由がある場合には、損害賠償などは請求できませんが)。
ちなみに、判例である「大阪高裁昭和56年1月30日判決」では、『取締役の解任に「正当な理由」が認められない場合に賠償すべき損害の範囲』が以下のように定められています。

【取締役が解任されなければ在任中及び任期満了時に得られた利益の額】
具体的には、以下の1〜3の合計額に相当する額。
1 満期までの役員報酬
2 役員賞与(定款の定め等により賞与を受け得たといえる場合に限られる)
3 退職金(定款の定め等により退職金を受け得たといえる場合で、解任により退職金が「減額」もしくは「なし」とされた場合)

この判例に基づき損害賠償の金額を判定するのであれば、残存する任期が長ければ長いほど、解任した取締役に支払わなければならない損害賠償の金額が高くなるというわけです。

ですので、取締役同士(または、株主と取締役)の関係性が薄い場合は、取締役の任期はなるべく短くしておいた方が無難ということになります。

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