不正競争防止法とは?

「不正競争防止法」とは、『商品表示や営業表示について、既に知られている名前(会社名、商品名、キャッチコピーなど)や有名な名前を自分の商号(会社名)として使用できない』というものです。

だから、「パナソニック」「ソニー」「トヨタ」などの誰もが知っているような名称を商号(会社名)として使用することは出来ません。

不正競争防止法の適用は、超有名企業だけではない!

では、上記のような誰でもが知っているような名称さえ使わなければ全く問題はないか?というと、決してそうではありません。

それは、自分が聞いたことがない名称だからといって、それが“不正競争防止法”に抵触しないという保証が無いからです。自分が知らなくても、地元ではそこそこ有名な名称であるということがあり得るからなのです。

近隣に、既に類似の商号で同一の事業を営んでいる会社があるような場合、のちのち不正競争防止法などを根拠に損害賠償請求や商号使用の差し止め請求をされるというようなトラブルに巻き込まれる可能性があるわけです。

そう考えると、会社法が施行される前には必須であった管轄法務局での類似商号調査をしておく方が賢い選択と言えるのではないでしょうか。

類似商号と見做されたケース

会社法が施行される前の旧商法における会社設立手続きには、「類似商号調査」というのが必須の作業でした。

新しく会社の会社名が、既存の会社の会社名と類似している商号と見做された場合は、設立登記すること自体が出来なかったのです。

では、旧商法下では、どのようなものを類似商号としていたのでしょうか?

類似商号と見做されたケース(会社法施行前には、以下のようなケースが類似商号とされ、その使用が禁止されていました)
1.発音が類似している   例えば…「阪急」と「半久」など
2.文字が類似している   例えば…「大丸」と「太丸」など
3.観念上類似している   例えば…「平和堂」と「和平堂」など
4.営業地域の地域名・地域を表す部分のみが相違するもの
  例えば…「広益舎」と「東京広益舎」など
5.店名や事務所名を表す部分のみが相違するもの
  例えば…「ワハハ本舗」と「ワハハ総本店」など
6.営業規模や新旧を表す部分のみが相違するもの
  例えば…「新日本設備」と「大日本設備」など
7.共通の事業目的だが、業種が相違するもの
  例えば…「武田薬品」と「武田薬局」など
8.業種を表す部分が包括的・抽象的なもの
  例えば…「三菱商事」と「三菱工業」など
9.ローマ字表記で、同じような読み方をするもの
  例えば…「H・S」と「エイチエス」など
10.その他、代表的な地名を表すもの(「日本」「東京」「にっぽん」「とうきょう」「ジャパン」「さいたま(さいたま市の場合)」)や「新」「大」「ニュー」

類似商号調査のやり方

管轄法務局によって商号調査のやり方が違う場合がありますが、ここでは代表的なやり方を説明しておきます。

類似商号の調査は、本店所在地(会社の所在地)を管轄する法務局で実施することになります。

考えた商号(会社名)案を持って管轄の法務局に行きます。その際には、認印と筆記用具を持参します(認印と筆記用具は必要ない場合がほとんどだが)。

まず、法務局行くと閲覧申請書がありますので、それを記入し窓口に提出します。すると、窓口の方がファイルのある場所を案内してくれます。

その場所に市町村区別のファイルがありますので、それをまず閲覧します。ファイルには会社名が50音順に並んでいますので、そのファイルで類似する商号があるかないかを調べます。

もし、類似する商号があった場合には、その会社番号が記載されていますので、その番号をメモしておきます。

次に、会社番号別のファイルがありますので、さっきメモした番号のファイルを探します。そのファイルの中から、先ほどのメモした会社を見つけ出し、その事業目的を確認します。

もし、事業目的が違うなら、不正競争防止法に触れることもありませんので、その場合は、商号が同一若しくは類似していようがまったく構いません。

類似商号は、自分の会社が株式会社であっても、株式会社だけではなく、合同会社・合資会社・合名会社・個人事業で登記されている商号について全部調べなくてはなりません。

法務局によってはファイル形式が違うということもあるようですので、詳しくは法務局で確認してください。

最近は、インターネットで簡単に検索できる管轄法務局も多くなったようです。

インターネットで調べる場合は、以下の要領です。

考えた商号(会社名)を入力してクリックすると、その法務局の管轄内にある会社の類似する商号(会社名)が出てきて、各商号(会社名)をクリックすると、その各会社の事業目的が確認できるようになっています。

以上「不正競争防止法」について説明をしてきましたが、商号を決める際にはもう一つ気を付けなければならないことがあります。それが「商標権」です。

矢印次は、商号編「商標権侵害で商号変更?」へ進む

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